震災後の「こころ」と「からだ」の変化
このたびの東日本大震災のような大災害にあった後には、「こころ」や「からだ」に様々な変化が起こります。これらの反応はよくあることで、ほとんどは時間とともに回復していきます。
こころの変化
- 地震のことがこわくてたまらない。
- 大切なものを失った悲しみ、さみしさを感じる。
- 自分をとても無力なものに感じる。
- どうして自分がひどい目にあわなくてはならないのかという怒りを感じる。
- 肉親や身近な人を助けられなかったことで、悔やんだり自分を責めてしまう。
- 将来に希望が持てず、不安になる。
- 何事にも無関心、無感動になってしまうときがある。
からだの変化
- 疲れがとれない。
- 眠れない、悪夢を見る、朝早く目覚める。
- 物覚えが悪くなったり、集中できない。イライラする。
- 吐き気、食欲不振、胃痛がある。
- 下痢、便秘になる。
- 動悸、発汗、手足の冷えを感じる。
- その他(関節痛、頭痛、めまい、性格の変化などが起きる場合がある)
少しでも乗り越えやすくするために
- 困っていることを家族や友人とお互いに率直に話し合いましょう。
安心できる人と一緒に時間を過ごすことはとても大切です。特に子どもの場合は、その体験から受けるショックは大人よりも大きいものです。ご家族がゆっくりとお子さんの気持ちを聞いてあげることや「大丈夫だよ」と言葉に出して伝えること、抱きしめてあげることが重要です。また、できるだけ食事や睡眠の生活リズムを崩さないようにしましょう。 - 睡眠と休息をできるだけ十分にとりましょう。
- 軽い運動をしましょう。
- 自分のペースを守りましょう。(がんばり過ぎない)
次のような場合は、早めに専門家に相談しましょう
- 心身の苦痛が強すぎる、長すぎると感じたとき。
- お酒の量が増えて、飲まずにはいられないと感じるようになったとき。
- さみしくてたまらないのに、自分の気持ちを率直に話せる相手がいないとき。
- 家族や友人のこころやからだの変化のことで、心配に思うとき。
- 症状が長引いたり、日常生活に支障があるとき。
主な相談先
- 利府町保健福祉課 健康づくり班
電話 022-356-1334 - 宮城県精神保健福祉センター(大人の相談)
電話 0229-23-0302 - 宮城県中央児童相談所(子どもの相談)
電話 022-224-1532
お子さんをお持ちの家族の方へ
お子さんのことで心配なことはありませんか。心理的なストレスや環境の変化から、こころやからだの不調が現れることがあります。特に子どもの不調は、身体症状や問題行動として、大人と違った形で現れることがあります。
子どもによく見られるストレス反応
- 寝つきが悪くなったり、何度も目を覚ましたり、嫌な夢を見たりする。
- わがままを言ったり、欲張りになったり、反抗的・粗暴な言動がある。
- 一人になることを嫌がる。
- 暗がりで寝ることを嫌がる。
- 年齢不相応に大人びた態度をとる。
- 自分のことより人のことを心配して世話をやきたがる。
- 頭痛や脱力感があったり、吐き気などをもよおすことがある。
- 喘息や皮膚炎などのアレルギー症状がでたり、風邪をひきやすくなる。
年齢別
乳幼児
- 赤ちゃんがえり(おもらし、べたつき、指しゃぶり)
- お母さんに以前より甘えるようになる。
- わずかな物音で起きたり夜泣きをする。
- 親の姿が見えないと大声で泣いてパニックになる。
- 一人でトイレに行けない。
小学生
- 赤ちゃんがえり(おもらし、べたつき、指しゃぶり)
- わずかな物音で起きてしまう。
- 食欲が落ちる、あるいは食べ過ぎ傾向になる。
- 遊びや勉強に集中できない。
- 話しかけられることを避ける。
中学生
- 遊びや勉強に集中できない。
- 喜怒哀楽を感じにくくなる。
- 集団への不適応。
このような「こころやからだの変化」は決して驚くような反応ではありません。
正常な反応として受け止めてください。
ほとんどの変化は時間とともに回復していきます。
日常生活では、次のことを心がけましょう
- 家族が一緒にいる時間を増やしましょう。
- 会話を多くし、子どもが話すことをきちんと聞いてあげましょう。
- できるだけ食事や睡眠などの生活リズムを崩さないようにしましょう。
- 行動に変化があっても、むやみに叱ったり、突き放したりせず、受け止めてあげましょう。
- 気をつかうがんばり屋のお子さんは、負担が大きくなりすぎないように気をつけてあげましょう。
症状が長引いたり、気になる症状があれば、まず、ご家族が専門家に相談しましょう。
更新日:2022年02月01日