染殿神社(そめどのじんじゃ)

染殿神社に祀(まつ)られている神様は
飲料水を司(つかさど)る「垂水之姫命(たれみずのひめのみこと)」
建築を司る「大戸辺命(おおとべのみこと)」「大苫辺命(おおとまべのみこと)」
そして「染殿姫命(そめどのひめのみこと)」です。

染殿神社は江戸時代の古文書には「蓋草神社(かりやすじんじゃ)」として記録が残されています。
「蓋草(かりやす)」とは、イネ科の多年草で染料として昔から使われていました。現在は「刈安」とも書きます。
特に赤沼周辺からとれる蓋草は品質が良かったそうで鎌倉時代の短歌などにも登場します。
染殿神社とお姫様の話
染殿神社に祀られている神様で「染殿姫命」について伝承があります。
仁寿2年(西暦852年)、身分を隠して東北地方を視察に来ていた「藤原明子(ふじわらのあきらこ):当時の文徳天皇の后」が赤沼付近に来た際にその日の宿を貸してほしいと村人に頼んだそうです。
しかし、普段目にしない立派な着物を身につけて頭には宝冠を付け、妊娠中の旅の娘を村人たちは不信に思い誰も宿を貸してくれませんでした。
そのことを不憫に思った老夫婦が近くの経塚のお堂に泊まるよう教えてくれました。
明子は旅の疲れを癒す間もなく、その日の晩に出産。
その時の産着などを沼の水で洗ったところ沼が赤く染まったことから赤沼と呼ばれるようになったとの説もあります。
無事に出産を終えた明子は村人に助けられながら子育てを行いました。
2年後に都へ帰るまで村人に針仕事や染め物の技術、書道などを教えていたといいます。このことから赤沼周辺の教養がぐんと上がり、明子は里の人々から生神として讃えられることとなりました。
明子が住んでいた跡地にお堂と記念の碑を建てて、神様として祀ったことが染殿神社の始まりという説もあります。
※利府町誌 「染殿神社に因む伝説」より

現在の染殿神社の様子。春には見事な桜を利府街道から見ることができます。
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更新日:2023年07月14日